鼓隊演奏をもっと自由に、もっと楽しく。

暑い日が続いていますが、園での活動も本格的になってくる頃かと思います。
外遊びや行事の準備など、先生方の毎日のご尽力に心から敬意を表します。

 

今回は、鼓隊演奏の「発表スタイル」について、少し視点を変えてみるお話です。

 

鼓隊演奏と言えば、重たい太鼓を幼児が担ぎながら演奏し、隊形を変えつつ移動するスタイルが一般的です。
しかし、近年では「その形」にこだわらず、無理なく楽しく取り組めて、先生方の負担も軽減される発表方法を
取り入れる園が増えています。

 

例えば―――

〔 太鼓を担がずに演奏する 〕

和太鼓の発表のように、太鼓を台やスタンドに固定したまま演奏する方法。
子どもたちは、その周囲で音楽に合わせて動くだけでも、十分に見応えのあるパフォーマンスになります。

 

〔 演奏と動きを分ける 〕

全員が同時に動きながら演奏するのではなく、動く楽器グループ・演奏する楽器グループに分かれる方法。
動くときは動くことに集中し、演奏するときはその場でしっかり演奏する。
役割を分けることで、子どもたちも安心して取り組めます。

 

〔 CD鼓隊に挑戦 〕

キーボードや鍵盤ハーモニカ、木琴、鉄琴などの音程のある楽器を使わず、CDに合わせて演奏する方法。
楽器の準備が少なく、太鼓のリズム指導に集中できるため、子どもたちも自信を持って取り組めます。
少人数の園や限られた環境でも無理なく実践でき、多くの現場で取り入れられています。


 

鼓隊演奏は「こうでなければならない」という型を少し外すと、もっと自由に、創造的に広がります。

「うまく演奏すること」よりもまず、音を感じて楽しむことが何より大切です。
幼児期の音楽活動には様々な教育的意義があります。
鼓隊演奏という経験は、音を合わせる喜びや仲間と調和する力を育てることができます。

発表は、そうした活動の成果をみんなで分かち合うためのひとつの機会です。
発表の出来ばかりにとらわれず、日々の音楽あそびの延長として無理なくのびのびと音楽に親しみ、
表現できる環境を整えること。

それが、これからの鼓隊演奏において、子どもたちにより寄り添った形になるのではないかと私たちは
考えています。「無理なく、でも豊かに。」そんな発表のかたちを、これからも一緒に考えていければ幸いです。

 

暑さ厳しい折、先生方もどうぞご自愛ください。

2025年07月08日